Technology
ここでは、今まで千代田技研がお客様に行ったご提案の一部をご紹介いたします。
金型設計から鋳造、切削、表面処理、納品まで一貫して行える千代田技研オリジナルのご提案をご覧ください。
切屑を出さないねじ加工:止まり穴にねじを加工した事例
切削加工でねじ山を加工していた部品ですが、ねじを切る際に出る切屑が完全に除去できず、歩留まりを悪化させていた製品例です。
千代田技研では、お客様と相談の上、ダイカストによりあらかじめ下穴を開け、転造によりねじ山を付ける方法を提案いたしました。
これにより、原理的に切屑をまったく出さないねじ加工が可能になり、歩留まりを飛躍的に向上させることに成功しました。
外観部分
最終的にめっきで仕上げた装飾デザインのダイカスト部品です。
製品中に巣が多く存在し、装飾めっきを行った際の歩留まりが悪い部品でした。
めっきの前処理として研磨処理で表面を磨くため、鋳造欠陥が表面化し、滑らかなめっき面が得られなかったのです。
千代田技研では、金型の方案設計から徹底的に見直すことで、巣、湯じわなどの発生をなくし、めっき工程での不良をほぼなくすことを実現しました。
また、鋳造からめっきまでのすべての工程の品質を一貫して管理することで、歩留まりを100%近くまで引き上げることに成功しました。
巣の発生が許されない製品:空圧部分
空圧部品には、高い気密性が求められます。
そのため、加工面に巣の発生がゼロであること、気密性を保つゴムパッキンを常に安定して装着しておくことが求められました。
巣の発生は、金型設計を最適化することで抑えました。
パッキンの装着部分は未切削で、シール処理を行う必要があります。そのため工程上、加工平面部とシール部の深さにバラツキが生じ、これがパッキンのシール性を安定させない原因となっていました。
千代田技研では、切削を行う部分が高精度な基準面を持つことができる金型設計を提案し、高精度な切削加工が可能な金型設計に取り組みました。
その結果、巣を発生させず、滑らかな表面加工を可能にする、高精度な基準面をあわせ持つ高品質な金型設計を実現し、お客様の要求にお答えすることができました。
Results
ダイカスト、切削、含浸、めっき、熱処理、塗装、アルマイト加工など,お客様の幅広いニーズに対応できます。
また、3μm~15μmの厚膜のアルマイト加工など、特殊な加工も高品質で行うことができます。
【燃焼シリンダ】
工具部品です。
内径穴が深く、抜き勾配により加工代が2.5mmありますが、加工面の巣がうるさい製品です。
巣限度内に収まるよう金型のガス抜き方案、鋳造条件仕様のトライで対応しました。
【防水コネクタ】
車両用のコネクタ部品です。
転伸材により従来生産されていたものがダイカスト化されました。
内径、外径とも加工し気密性が要求される製品です。金型方案、鋳造仕様で対応しました。
外周3条溝加工、内径に凸キー溝、凹キー溝の加工があり、相対位置精度を管理して加工しています。
【ギアケース】
車のスターター用ギヤケースです。
内外の内径インローと外径インローの芯がオフセットしており、ギアが噛み合う製品です。
ギアの噛合い精度から、角度と芯間寸法を管理した加工が要求されています。
【スラストベアリング外輪押え】
モーター用部品です。
転伸材により従来生産されていたものがダイキャスト化されました。
左右加工インローの同軸度、平行度精度が厳しく、素材の変形がそのまま精度に影響してしまうので、旋盤のチャックワークの工夫が必要でした。
【ベアリング取付フレーム】
印刷機の部品です。
薄い板状の製品で、裏表面平行度、および側面の直角度、平行度の精度が求められた製品です。
素材の剛性が弱いので素材のクランプ力の管理、およびワンクランプによる4面加工で寸法精度を確保しました。
【カバー】
繊維機械に用いられる部品です。
左右二面旋盤加工に、45度面のねじ加工、外周に3面フライス加工、及びねじ加工がある製品です。
それぞれの相対精度を維持して加工しています。